メディア・表現編 3/3

「女の口出しはダメ」、「男は黙って…」
と思っていませんか?

〜女も男も自己表現能力を磨こう〜

イラスト 「女のくせに生意気だ」、「この問題には女が口出しすべきではない」などといったせりふは、男性が中心の企業や会合などで、いまだに聞かれるものですが、これらは、女性が発言する機会を奪われてきた端的な例と言えます。女性は、控えめにすべきで、あまり発言すべきではないという考え方は、特に公的な場面での女性のコミュニケーション能力にマイナスの影響を与えています。一般的に、男性に比べて論理的に話を進めるのを苦手とする女性は多くいますし、自分の主張を説得的に展開する自信がない女性もたくさんいます。男性と肩を並べて、こうした表現能力を発揮することがもともとあまり期待されていないため、その能力を身につけるための教育や訓練の機会もなかなか与えられず、結果としてコミュニケーションを通した活躍の機会がますます狭められています。

 他方、男性は、古くは寡黙さが美徳とされ、不言実行が潔しとされる傾向があったことから、女性とは別の意味でのコミュニケーション能力へのマイナス影響を受けています。加えて、競争社会に生きる男性は、単に命令するか、討論によって相手を理論的に説得する(もっと言えば言い負かす)か、あるいは演説的な話し方になるという傾向があり、いきおい、プライベートな会話が苦手となりがちです。相手との親密な関係を深めるための会話や、他者の気持ちを理解し共感するための会話が苦手な男性も多く、その結果、私的な場面で、言葉が出るかわりに手や足が出る、つまり暴力を振るってしまうこともあるのです。しかもやっかいなことに、こうした暴力は往々にして自分より下だとみなされる相手、つまりは女性(妻や恋人)に対して向けられることが多くなっています。

イラスト こうしてみると、女性も男性もそれぞれがコミュニケーションの取り方に問題を抱えていることがわかります。これは、男女ともに、各場面に即して自己表現をきちんと行えていないということです。コミュニケーション能力を高めるためには、男女とも、これまであまり過ごしてこなかった場での時間を過ごすことが必要です。それは、女性の場合、職場や政策・方針決定過程の場など主に公的な場所であり、男性の場合、家庭や地域などの私的な会話を行う場と言えます。しかも、男女が、共に時間も場所も活動も分かち合いながら、それぞれの気持ちを伝え合う努力が必要となるでしょう。自己表現のための能力を磨くことは、男女が理解し合い、互いに対等な立場で協力し合えるような関係を築くための出発点です。