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W調査結果の総括

1.はじめに

 21世紀を目前に控え、女性をめぐる問題状況は大きく変わろうとしている。先に開催された女性2000年会議準備委員会において、2000年6月に開催予定の国連特別総会「女性2000年会議」(於:ニューヨーク)では、第4回世界女性会議(1995年、於:北京)で採択された行動綱領の実施状況を検討・評価するとともに、各国の更なる行動とイニシアティブについて検討することとなっている。

 こうした世界的な動きを前に、昨年は国においてもいくつかの政策面での進展が見られた。まず、4月には「改正男女雇用機会均等法」が施行され、募集・採用、配置・昇進等における性差別禁止と、新たにポジティブ・アクションの促進やセクシュアル・ハラスメントの防止といった課題が盛り込まれた。また、均等法改正に合わせる形で「労働基準法」も改正され、女性の職域拡大に向けて深夜業等の規制を解消すると同時に、母性保護の充実も図られた。さらに、女性の深夜業解禁に伴い、育児や家族介護を担う男女の深夜労働を制限するよう、「育児・介護休業法」も改正された。続いて6月には、「男女共同参画社会基本法」(以下基本法と略)が成立、公布・施行され、男女平等の実現に向けた具体的取り組みの足がかりが出来た。国はこの基本法を踏まえて「男女共同参画基本計画」を定めることとしており、都道府県に対しても国の基本計画を勘案して男女共同参画を促進する計画を策定することを義務づけている(基本法第14条)。

 島根県でも、平成6年度に「島根県新女性計画(しまね女性プラン21)」を策定し、平成7年度よりこの計画に基づいた女性施策を推進している。昨年4月には男女共同参画社会を目指す拠点として、「島根県立女性総合センター(あすてらす)」も開館し、女性問題解決のための活動の場として様々な事業が展開されている。島根県新女性計画の推進期間が終了する平成12年度末以降も、女性施策充実を図るため、基本法の理念の下、島根県の事情に則した計画策定が肝要である。

 本調査は、こうした情勢を踏まえつつ、島根県における女性をめぐる問題について県民の意識と実態を把握し、今後の女性施策の一層の充実を図るとともに、特に、来年度策定予定の「島根県男女共同参画計画」(仮称)の基礎資料とする目的で実施された。以下では、こうした調査目的を念頭に置きつつ、調査結果を総括し、今後の課題を検討する。

2.男女の役割について

 女性をめぐる諸問題の根底にあるのは、社会通念として固定化した性別役割分担意識である。「男は仕事、女は家庭」という性別役割は、それ自体が問題であるというよりも、それが「当然」であるとか「自然」であるとかという社会規範となることで女性の社会進出や社会的自立を阻害したり、女性への差別や暴力を誘発したりする土壌となる。

 こうした視点から本調査では、男女の役割などに関するいくつかの事柄について、それぞれ賛否を尋ねる質問をした(問1)。その結果、典型的な性別役割分担意識を表す「男は仕事、女は家庭」という考え方については、回答者の半数以上が否定的に捉えている。この否定的な回答の比率は、平成7年度の島根県調査と比べて15ポイント以上も増加しているし、平成9年度の総理府調査と比べても17ポイントも高い。すなわち、この結果を見る限り、島根県における性別役割分担意識が弱まりつつある上に、全国的に見ても島根県では性別役割分担にこだわらない人が比較的多いと言えるかもしれない。しかし、より細かく見ると、「女性は気配り、男性は決断力」、「子育てはやはり母親」という別の設問における肯定の割合が7割以上という結果が出ており、単純にそうとは言い切れないことが分かる。すなわち、質問の仕方によっては性別役割分担意識の根強さが示される結果となっているのである。こうした性別役割分担意識を問う指標は今回の調査で取り上げた設問以外にも様々あり、今後は日常生活の個々の場面での性別役割分担意識をきめ細かく捉える必要があるだろう。

 一方、「女の子らしさ、男の子らしさにこだわらず、個性重視の子育て」に肯定的な回答が7割を超え、「女は文系、男は理系向き」に否定的な回答も7割を超えていることから、性別にとらわれない子育てや教育に賛同する結果が得られたと言える。現実の子育てや教育の場面での課題はあるだろうが、こうした意識をこれまでの固定的な性別役割分担の変革の足がかりとしていくことが重要であろう。

 また、様々な分野において、男女の地位が平等になっていると感じるかを尋ねた設問では、男性の方が優遇されていると感じる人が平等と感じる人の割合よりもほとんどの分野で高くなっている(問2)。特に、「社会通念・慣習・しきたりなど」や「政治の場」において平等感の低さが顕著であった。これに対し、「学校教育の場」では比較的平等感が高くなっている。しかしこのことは、多くの人が卒業後にさまざまな場面で教育と現実とのギャップを感じているということに他ならない。男女の平等感に関するこうした傾向は、平成7年度の島根県調査、総理府調査の双方と比較しても同様であるが、過去と比較して男女の平等感に大きな変化がないことについては、なぜそうなっているのかを分析し、その上で具体的な改善策を提示していくことが県の女性政策としては求められる。ちなみに基本法第4条においては、男女の社会活動の選択に及ぼす影響をできる限り中立的なものとするよう、社会制度又は慣行にまで配慮を求めている。したがって今後は、全ての分野で人々が平等を実感できるよう、何らかのポジティブ・アクション(積極的な差別是正措置)も視野に入れた施策が検討されるべきであろう。また、本調査では詳しく踏み込んでいないものの、平等感の比較的高い学校教育現場においても、いわゆる「隠れたカリキュラム」(注1)の問題について従来から指摘されており、よりきめの細かい配慮が期待される。

3.女性の社会参加について

 女性の社会参加については、大方の回答者が賛成しており(問4)、特に公的な分野への社会参加が望まれている(問4−1)。それにも関わらず、全国的に見て島根県の女性の社会参加は進んでいるとは言えない。島根県においては、社会参加の中でも特に政策・方針決定の場への女性の参画が少ない現状にあるが、調査からは、この参加率の低さが、女性からの県政への関心を低下させると同時に、行政の側からの女性の意見への関心をも低下させ、ますます女性の参加が阻まれているということも伺える(問5−1)。また、こうした悪循環を背景として、県政に女性の意見が反映されていないと感じる人が過半数にのぼるという調査結果が生じたと言えるのではないだろうか(問5)。

 このような悪循環を断ち切り、女性の社会参加を高め、県政に女性の意見がきちんと反映される方向に転換していくような県としての取組が是非望まれる。そもそも、女性の意見の反映度にせよ、女性の社会参加率にせよ、それらを高めるためには、その意義について広く県民の理解を得ていくことから始めねばならない。しかし、こうした地道な努力に加えて、具体的な目標数値やその目標を達成するための具体的対応策を講じなければ、現状はなかなか変革できないことも確かである。調査結果によると、ポジティブ・アクションという考え方については、まだ広くは浸透していないようであるが(問6)、変革のための一手段として暫定的にそれぞれの領域の事情に合わせてポジティブ・アクションを導入することについては行政も前向きに検討して良いと思われる。またそれと同時に、単なる数値合わせではなく、女性自身が本当の意味で社会的に自立できるだけの技能を獲得できるように、教育・研修の機会を設けるなどエンパワーメントのための環境を整える必要があるだろう。

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